会社でも、思い通りならないと部下に当たる、大声で怒鳴るなどすぐキレる人がよくいます。一方で、いつも冷静で、感情コントロールできる人もいます。ビジネスの世界において、よく感情なしの知性重視を主張する人がいますが、大きな間違いです。優秀なリーダーは例外なく感情的になりません。 この記事では、①すぐキレる人と、冷静な人の脳の仕組み、②感情をコントロールするにはどのようにすればよいかについて説明します。

- 人はなぜ感情的になるの?その時の脳はどのように動いているの?
- 感情的にならないようにするにはどうすればいいの?
1) ヒトが感情的になる脳の仕組み
では、ヒトの情動(激しい感情により生じる言動)は、下記の図に基づき、どのようなメカニズムで生じるのか説明します。
< 感情的になる脳の仕組み>
①ヒトは、危機(怒り、不快感、不安などネガティブな感情)を感じた時、原始的な脳である大脳辺縁系に危険シグナルを送ります。
②大脳辺縁系の一部である偏桃体が、そのシグナルを感知し、情動を引き起こしヒトの脳をハイジェックします。
③情動にハイジャックされた脳は、怒りなど感情的な行動を引き起こします。
上記が情動を引き起こすメカニズムですが、危機に対しいいつも情動を引き起こすという訳ではありません。上記②で偏桃体が危機を感知した時に、後発的に進化した脳である前頭葉前部にもシグナルを発し、情動を抑え思考することもできます。
< 感情をコントロールする脳の仕組み>
②-1 偏桃体が前頭葉前部にシグナルを発信。
③-1 前頭葉前部がシグナルを受け取ると思考が働き、情動を抑えることができる。
例えば、部下の失敗に怒りを感じたときに、その感情を部下に露わにするのではなく、部下の立場に立ちなぜその失敗をしたのか?その原因を一度冷静に考え、情動を抑える。というような場合です。 優秀なリーダーは、偏桃体と前頭葉前部がスムーズに連携され、情動を抑え込むことができます。その為、人間関係を適度に良好に保ち、上司・部下・サプライヤーとの信頼関係を構築することができるのです。
2) 感情をコントロールする方法
どのように感情をコントロールできるか?ですが、私の方法を一つお伝えします。私の本来の性格は、非常にせっかちで短気です。30代前半ごろまでは、ビジネスにおいても瞬間的に頭に血が上り、上司に暴言を吐いてしまったこともあります。そんな私ですが、ある大きな失敗をきっかけに、感情のコントロールが自分の将来の成長には絶対不可欠と認識するようになり、普段から怒りを抑えるトレーニングを開始しました。
試行錯誤した中で最もうまくいったのは、怒りを感じたときに、上記で述べた情動を引き起こす脳のメカニズムを思い出し、第三者の視点から、自分の大脳辺縁系と前頭葉前部がどのような状況か?意識して考えるようにしました。そうすると、情動が出そうなときは、『ダメダメ、前頭葉前部を働かせないと・・・』と自分に言い聞かせることで、自然と冷静になり、適切は言動をとることができるようになってきました。 いまでは、人前で激怒することは、全くありません。(心の中では、怒り狂っている時はありますが・・・)
3) 優秀なリーダーは感情的にならない
優秀なリーダーになる為には、知性以上に感情のコントロールが重要です。ビジネスの世界において、よく感情なしの知性重視を主張する人がいますが、大きな間違いです。
ヒトの感情は知性より明らかに強い影響力を持ちます。リーダーが、感情をコントロールできず、怒りを露わにし部下の信頼をなくすことは誰でも目にしたことがあると思います。一度信頼をなくすと信頼回復には、より多くの努力と時間が必要になることを考えても、リーダーにとって、いかに自分の感情をコントロールすることが重要かは明らかです。
皆さんも、何か一つ感情をコントロールできる皆さん自身の具体的方法を探索するのが良いかと思います。より興味を持たれた方は、下記の本をご覧ください。本日の記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。
[temp id=4]